9月10日 定例会議会

◆11番(井上ノエミ) 新しいすみだの井上ノエミです。山本区長と加藤教育長、よろしくお願いします。
 初めに、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈りいたします。また、闘病されている方々の一日も早い回復を祈願いたします。また、医療従事者の皆様、介護や保育をはじめとして、困難な状況の中、社会を支えてくださっている皆様、また区長を筆頭に、未曽有の事態に一丸となって対処してこられた職員の皆様に心から感謝いたします。
 さて、先行きが見えない現状ですが、今回の新型コロナの感染拡大で大きな影響を受けているのが飲食業です。また、そこで働く多くのスタッフ、アルバイトの方々も職場を失う事態になっています。感染が収まらない中、東京都では、9月15日まで23区内のお酒を提供する飲食店とカラオケ店の営業時間を夜の10時までにする短縮要請をしています。
 飲食店の支援については、中小企業支援としての補助金や融資制度がありますが、とても十分ではありません。政府は、「GoToEat」キャンペーンを始める予定ですが、墨田区としても、是非独自の飲食店支援策を始めていただきたいと思います。
 区内では、東駒形の有志がクラウドファンディングで150万円を集めて、同愛記念病院と賛育会病院に全部で1,000個のお弁当を届けて、「食でエールを送ろう!!」という活動を行いました。地元の飲食店にお弁当を注文し、お金を寄付した人は、これらの飲食店での寄付した金額の割引券をもらうアイデアです。寄付した人は元は取れます。飲食店は注文があり、病院のスタッフは無料でお弁当をもらいました。このように是非墨田区でも、知恵を絞って支援策を考えていただきたいと思います。
 墨田区では、商店街連合会と協働で「すみだテイク!」という飲食店を紹介するサイトをつくりました。これは飲食店のリストがあり、テイクアウトを注文するために大変役立ちます。また、配送料無料のクーポンや半額クーポンもありましたが、今は終わっています。現在の支援策では十分ではないと思います。是非区の負担で半額の割引クーポンを発行するなどの大胆かつ大規模な支援が必要と思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。
 また、国土交通省は、今年の6月に飲食店などが道路や歩道を使用する制限を緩和する通達を出しています。これにより飲食店が歩道を使用してテラス席をつくることができます。ニューヨークでは、テラス席だけ営業を認められているようです。この規制緩和は今年の11月30日までですが、今後のこともあるので、墨田区でも是非実現してもらいたいと思います。
 そこで、山本区長に伺いますが、墨田区として、飲食店のテラス席についてこれまでどのような検討をしてきたのか、また区長として、この規制緩和を活用して飲食店を支援することについてどのように考えているのか、お伺いします。
 次に、オンラインによる保育園の見学会の実施についてお伺いします。
 来年4月の入園に向けて、通常であれば保護者が保育園に見学に行く時期がやってきます。保育園も、現状では、保護者の見学を受け入れるのは難しいと思います。そこで、オンラインで保育園の紹介をすることを是非考えていただきたいと思います。たとえ見学会がなくても、保護者が保育園の紹介動画を見て、保育方針の説明や設備の状況を見ることができれば、大変参考になると思います。動画はスマホでも簡単に作成できます。区のホームページとリンクすれば、保護者にとっては大変役立つ情報です。実現には墨田区の支援も必要だと思いますが、区長のご見解をお伺いします。
 次に、保育園と保護者のスマホの連絡用アプリの使用についてお伺いします。
 保育園と保護者は、連絡帳というノートを使って連絡を取りますが、最近ではスマホ連絡アプリを使っている保育園もあります。「キッズリー」とか「コドモン」などのアプリで、渋谷区で導入されていて、緊急時の連絡には大変便利と聞いています。また、墨田区の会社が「CCS NOTE」という連絡アプリを無料で提供しています。墨田区の保育園でもこのようなアプリが普及すると、保護者にとっても保育園にとっても便利になると思います。
 現在、区内の保育園では連絡アプリの利用実態はあるのでしょうか。また、連絡アプリを区内の保育園でも使用してはどうかと思いますが、山本区長のご見解をお伺いします。
 次に、加藤教育長にお伺いします。
 今申し上げたコドモンという連絡アプリは、小学校・中学校用もあります。教員の負担軽減にもなりますので、墨田区の小・中学校でも連絡アプリの導入を検討すべきと思います。
 また、世界各国の学校では、Edmodo(エドモド)などのオンライン学習のプラットフォームが広く使われています。これらのソフトには連絡アプリも含まれています。Edmodoは日本でも導入されていて、東京学芸大学附属小学校でも使用されているようです。
 全ての学校に今すぐ導入することは難しいと思いますが、試験的に一つの学校の1学年だけに導入してみて、実証実験することは意味があると思います。是非連絡アプリやオンライン学習のプラットフォームの導入について研究してもらいたいと思いますが、教育長のご見解をお伺いします。
 次に、情報経営イノベーション専門職大学との連携について、山本区長にお伺いします。
 これまで申し上げてきたように、墨田区でも、子育てや教育の分野で今後ICT化を積極的に進める状況にあると思います。その点で、今年、区内にICTの専門職大学が開校したことは大変よかったと思います。
 そこで、山本区長に伺いますが、今後、この大学との連携を具体化していく必要があると思います。現時点で具体的に何か考えているのか、お伺いします。
 最後に、多文化共生社会の実現のための国際交流活動について、山本区長にお伺いします。
 先月、墨田区の国際交流活動を活性化するために、区民の有志がすみだ多文化共生交流会という新しいNPOを設立するための設立準備会が開かれました。私も含めて超党派の議員数人がこの準備会に出席しました。将来的には墨田区とも協働したいと考えていますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 来年度の予算編成も始まりますが、来年度以降、多文化共生社会実現を目指した国際交流活動について、山本区長はどのように考えているのか、お伺いします。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

◎区長(山本亨) ただいまの新しいすみだ、井上議員のご質問にお答えします。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策における飲食店に対する支援策についてです。
 感染拡大が最も懸念されていた4月から、飲食店のテイクアウトとデリバリーのサービスを支援する事業を墨田区商店街連合会と連携して実施した結果、200店舗以上が参加し、1,800万円を超える売上げとなりました。そのほとんどの店舗は、支援事業終了後も独自にテイクアウトとデリバリー事業を継続しています。
 8月からは、新しい生活様式に対応した商店支援事業を実施し、申請は500件を超えています。さらには、10月からキャッシュレス決済促進・ポイント還元事業をポイント還元率30%に設定して実施します。
 今後も、感染症拡大防止策を徹底しながら、経済活動が再び活性化していく時期を捉え、事業者が将来を見据えた視点を持ち、経営環境の強化や販路開拓のための取組などを支援していきます。
 次に、飲食店のテラス営業についてです。
 飲食店がテラス席を設けるには、歩行者の通行を妨げない一定の道路幅員が必要であり、条件に合致する道路や歩道が区内には少ないのが現状です。
 このような中で、国土交通省から道路占用許可基準の緩和に関する通達が出されたのを受け、テラス営業を希望する事業者を区が支援した結果、営業が可能になった事例もあります。テラス席での営業は、感染拡大防止に寄与するだけでなく、にぎわい創出にも一定の効果があると考えますので、関係部署が連携して様々な可能性を探っていきます。
 次に、オンラインによる保育園の見学会の実施についてです。
 ご指摘のとおり、オンラインにより保育園紹介を行うことは、保育園における3密を回避するため、非常に有効な手段と認識しています。まずは、公立保育園の紹介に当たって動画を活用できるよう、試行的に導入を図り、検証したいと考えています。
 次に、保育園と保護者の連絡アプリについてです。
 現在、保護者との連絡にアプリを使用している私立保育園もあり、日常的な情報共有が行われていると聞いています。
 公立保育園においても、緊急時の情報連絡手段の確保は重要と考えています。保育園全体のICTを活用した通信環境整備の課題もありますので、費用対効果やセキュリティ確保なども踏まえ、検討していきます。
 次に、情報経営イノベーション専門職大学との連携についてです。
 同大学は、地域連携センターを学内に設置し、地域貢献の窓口として、ICT教育をはじめとした広範な分野における連携体制を整えています。既に教育分野においては、プログラミング教育に関する具体的な協議を始めており、今後、子育て分野等についても様々な連携の可能性を検討していきます。
 最後に、多文化共生社会の実現に向けた国際交流活動の方針についてです。
 これまでも、区は、日本語ボランティア教室をはじめ、多くの皆さんの協力の下、事業を進めてきました。新たに設立されるNPOも含め、引き続き関係者との連携を図りながら、お互いを受容し、尊重し合う多文化共生社会の実現を目指していきます。
 本年は、新型コロナウイルス感染症拡大により、日本語ボランティア教室の一部休止、海外友好都市との事業の中止など、様々な影響が生じています。来年度以降の予測は困難ですが、人の往来が制限されている状況を見極めつつ、オンラインツールも活用しながら、ウィズコロナとアフターコロナにおける国際交流活動を行っていきます。
 以上で、新しいすみだ、井上議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。